【エリック・サティとその時代展】を10倍楽しむ方法(1/2)

エリック・サティ Bunkamura クラシック音楽

画像:bunkamura.co.jp

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 渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムにて「エリック・サティとその時代展」が2015年7月8日〜8月30日まで開催されます。エリック・サティは20世紀初頭に活躍したフランスの作曲家で、西洋音楽を大きく発展させ、ドビュッシーやラヴェルなどの作曲家に多大なる影響を与えた偉人です。
 
エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(Erik Alfred Leslie Satie、1866年5月17日 - 1925年7月1日)
画像:ウィキペディア

 ただ、歴史に名を残す偉人は、時として人とは違う部分がありますよね。凡人とは感性がちがうと言いますか、彼もそんな人間の一人です。時として人は彼を「音楽界の変わり者」と呼ぶほど、凡人には理解不能なエピソードが多い、謎に包まれた作曲家なのです。今回は「エリック・サティとその時代展」の予習にピッタリな彼の数々の風変わりなエピソードをご紹介いたします。

01.変な題名の曲が多い

 エリック・サティの付ける曲名は変わっています。たとえば、こんな題名の曲があります。

『(犬のための)ぶよぶよした前奏曲』
『(犬のための)ぶよぶよした本物の前奏曲』

 このぶよぶよとした前奏曲には本物と偽物があるらしいです。『(犬のための)ぶよぶよした前奏曲』を出版社に持ち込んだが断られ、1か月後にまた持ち込んだ時、皮肉って「本物」と付けたそうな。

『梨の形をした3つの小品』
 ドビュッシーに「君の曲は形式がない」と批判され、フランス語で「間抜け」という意味のある梨を曲名に選んだそうです。

『胎児の干物』
『なまこの胎児』
『甲殻類の胎児』

 「なまこの胎児」とか「甲殻類の胎児」など、胎児の付く名前が多いですが、「胎児」が好きなのでしょうか?ちょっと気持ち悪いですね。曲名とは裏腹に曲自体は至って真面目です。何かねらっているんでしょうか?

 彼の楽譜には音符の間に数多くの注意書きや意味不明の言葉がたくさん書かれているのが特徴です。例えば「なまこの胎児」の楽譜には

 「『歯痛をもつ夜ウグイスのように』ソフトな演奏をこころがけよ」

と書かれています。歯痛をもつ夜ウグイスってなんなんでしょうか?そもそも鳥に歯があるのでしょうか?きっと演奏者はこの注意書きに驚き、戸惑うことと思います。その驚きと戸惑いが演奏にもたらす影響をサティは狙ったと言われています、が実際はどうなんでしょうねえ。

02.環境音楽という概念を最初に作り上げた

 「パラード」というバレエ、詩人のジャン・コクトー、画家のピカソ、そして音楽はサティが担当という夢の共演です。ちなみに舞台衣装にはココ・シャネルも参加していたとのこと。)ピカソの集大成とも言うべき舞台美術と対照的にサティの音楽はあまり目立たないものでした。

 彼の狙いは、登場人物や物語を引き立てる「背景音楽」を作ることでした。
 彼の逸話の一つにこんなものがあります。ある画廊で演奏をしていたサティは、彼の演奏に静かに耳を傾けていた聴衆に、

 「聴くな!おしゃべりを続けろ!歩きまわるんだ!」

と叫んだそうです。情緒不安定さが半端ないですが、彼としては、BGMとしての役割の演奏をしたかった、と言うわけです。レストランなどのBGMを真剣に聞く人なんていないですよね?でもBGMがその空間の演出に必要不可欠なのも事実。今で言う「環境音楽」の走りがここにあるのです。

 その後、彼はこの背景音楽を発展させて「家具の音楽」というスタイルを確立させます。部屋に溶け込む家具のような音楽です。
 
家具の音楽の楽譜
画像:NAVER

03.その仕事はやらない。理由は報酬額が高いから!

 サティは仕事の依頼を受ける際、報酬額が高すぎるという理由で、金額を下げたことがあります。金欲や物欲よりも精神の自由に重きをおいた彼の哲学が伺えるエピソードです。実際彼は労働者階級の住むアルクイユという街を愛し、長年住み続けました。世間からそれなりの評価を受けているアーティストでありながら質素な暮らしを続け、生涯独身を貫きました。
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