Ranpoに投稿された話『捨てても戻ってきたあの人形……』

人形 怪談 オカルト

画像:otsubo.info

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みなさんは幼少期の頃に大切にしていた人形などはありますか?

人形は古来より人形(ヒトガタ)とも呼ばれ、魂の宿りやすい物、また封じ込めやすいものとして様々な呪術、魔術などに使用されてきました。

今回、投稿者が幼少期に体験したある人形にまつわる話です。

クビの取れる人形

あれは小学2年生の頃。

当時、まだ人形遊びやぬいぐるみ遊びなどが好きだった私の誕生日に、叔父が買ってきてくれたものがありました。

それは、少し変わった仕掛けのある人形で、背中にあるゼンマイを巻くとオルゴールの音と共に、人形がクビを回すといった仕掛けのあるものでした。

当時、海外旅行の好きだった叔父が、海外に行った際、見つけてきたものです。

人形やぬいぐるみを集め、大切に遊んでいた私と妹は、最初その珍しい人形を喜びましたが、その人形は作りが雑だったためかすぐに壊れ始めました。

一ヶ月たった頃には、ゼンマイを巻くとクビを回しながら徐々にクビが伸びていき、やがてクビが取れてしまうというなんとも不気味なものになったんですね。

その様子はあまりに不気味で、私達兄妹はその人形を恐れ、段々とその人形では遊ばなくなっていきました。

そんな、ある日。

私達兄妹がその人形で遊ばなくなってから、半年ほど経った頃。

夕食の時間、父、母、私、妹の四人で一階の茶の間で食事をしていた時の話です。

私が食事を終えた後、テレビを見ながらゆっくりしていると、突然、私達兄妹の部屋のある階段のほうからドタドタドタッ! とものすごい音が聞こえました。

何かが階段を転げ落ちていくような物音です。

一瞬、家族四人が固まり、ギョットした顔でお互いの顔を見合わせ、その後、父を先頭に音の正体を確かめに向かいました。

しかし、そこには何もありません。

特別何かが落ちたような形跡もなく、また転げ落ちた先と思われる場所にも特に何かがあったわけではなかったため、父の「きっと、猫が落っこちたんだろう」という推測に母が同意し、二人は妹を連れ再び食事に戻っていきました。

ただ、私だけは疑問を感じていました。

何故なら、食後にテレビを見ていた時、その猫は私の膝の上にいたのですから。

ただ、それ以上は調べようも無く、当時の私はそのような事をすぐに忘れ。翌朝、普通に学校に登校しました。

でも、恐怖は学校から帰って来た時に起こりました。

半日だけの授業が終わり、誰よりも早く学校に帰ると、当時渡されていた鍵を使い家に入りました。

そこで……私はギョっとしました。

何故なら、昨日の階段の物音の正体が分かってしまったから……

一軒家に住んでいらっしゃる方はイメージがつくかもしれませんが、通常、玄関は靴を脱ぐ場所が少し高くなっており、靴を脱いだあとの床の下部分に靴を入れる隙間が空いていたりすると思います。

私の家もそういった作りになっており、靴を履いて入ってくる玄関部分と、脱いだ後の床の段差で20センチくらいの隙間があります。

その隙間に、人形はありました。

半年前、不気味で遊ぶ事をやめていて、なおかつその存在を忘れつつあった人形が、あのクビが取れてしまう人形が隙間に挟まっていたのです。

しかも、しっかりとこちらを向いた状態で。

これは、おかしな事でした。

というのも、私達の部屋の階段から、転げ落ちた場合、人形はその靴を収納する隙間部分ではなく、下駄箱のほうに向かって転がっていくはずなのです。

そこにも十分な奥行きがあるため、そちらに転がっていくのであれば分かるのですが……何故か、転げ落ちた人形は不自然にもその隙間に挟まっていたのです。

私はあまりの恐怖に悲鳴を上げ、すぐに家を飛び出し、近所に住む祖母の家に逃げ込みました。

母に連絡をして祖母の家に迎えに来てもらい、事の次第を話しました。

すると母は「きっと偶然だろうけど、さすがに気味が悪い」といって、すぐにその人形をゴミ捨て場に持っていきました。

父が帰宅した後、そんな気味の悪い事もあるんだな。などと、もう終わったつもりで話していた私達ですが、それだけでは終わらなかったのです。

それから一週間ほどがたち、「もうあの人形は捨てたし、大丈夫だからね」という母の言葉を信じ、私は安心しきっていました。

学校から帰ってきた私は、玄関の前に何かを見つけました。

遠目に見て、嫌な予感のするものです。

恐る恐る近づくと、

そこに捨てたはずのあの人形が玄関の前に座っていたのです。

これにはもう、頭の中が真っ白になりました。

恐怖が止まりません。

あの人形が……人形が……帰ってきた……

その時の私の記憶は定かではありません。

ただ、恐怖の中なんとか祖母の家に向かって泣きながら走っていました。

祖母は母に連絡をした後、すぐに家まで一緒に行ってくれて、「こういったものは、ただ捨てるだけじゃいかん。供養してもらおう」と言い、近くのお寺に持っていきました。

二度の恐怖を体験した私は、しばらく一人で家に帰るのが怖くてしかたありませんでした。

あれからはあの人形はもう戻ってきていません。

それ以来、私は極端に人形どころかぬいぐるみまで苦手になり、あまり身の回りには起きたくありません。
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