【実話怪談】図書室の隅に置いてある決して借りることのできない本がある…そこには悲しい物語があった(1/2)

図書館 怪談 オカルト

画像:Stewart on flickr

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私は読書が好きだった。

お父さんとお母さんは、私が小さな頃からたくさんの本を買ってくれた。本の中の登場人物たちは、皆キラキラしていて、私には無い何かを持っている気がした。

小学5年生の頃、休み時間は学校の図書館へ行くの日課だった。図書貸し出しのカードを自分で手書きする。欄が埋まっていくのを見るのが好きだった。

こんな毎日を送っていると、いつしか、図書館の本をほぼ全部読んでしまっていた。新刊は時々しか入ってこないし、文字ばっかりの難しそうな本だって、私にとってはもう読んだものばかりでつまんない。

だけど、1冊だけ。図書館にある、あの本だけはまだ読んだことが無かった……

その本は、図書館の奥の戸棚の隅っこにある。

棚の一番下。分厚い他の本に挟まれ目立たない、真っ黒の本。手に取ったことがないから、何の本なのかはわからない。

その本の存在を知ってからは、休み時間の度にダッシュで図書館へ向かった。でも、毎回私がその棚へ着くころには、別のクラスの男の子がその本を持っていってしまうのだ。毎回同じ男の子。その子が毎回持っていってしまう。

私はその背中をいつも物惜しげに見つめるしかなかった。

あの本がどうしても読みたかった私は、突飛なアイディアを思いつく。それは図書委員になること。図書委員になれば、貸し出しの手伝い当番の時に誰よりも先に図書館へ入れる、そう思った。先生からカギを受け取って、そのカギで図書館を開館させるのも当番の仕事の一つだから。

5年生の後期に入り、それを実行に移した。図書委員になった。

そして最初の当番の日。

職員室へ鍵を取りに行き、図書館の鍵を開ける。あの真っ黒の本を借りるために。
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