【実話怪談】真夏にゾッとする話!!ヒッチハイクで訪れた山村での恐怖体験!?(2/2)

実話怪談 ヒッチハイク 山村 老婆

画像:www.obstinato.com.ar on flickr

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俺は、途方に暮れた。トラックの姿は既に走り去り、周囲の家はまばらに点在するだけだった。一軒一軒の家を訪れて泊めてもらうように頼んだが、村人は俺を警戒するだけで、家に上がらせてもくれない。

途方に暮れながら歩きくと山村から離れた場所に一軒の古い家が見えた。不気味な雰囲気はあったが贅沢は言っていられない。ダメもとでその家に行くと一人の腰を曲げた老婆が出てきた。事情を説明すると老婆は俺を家の中に向かい入れてくれたのだ。俺は安心した。

外は日も沈んで何も見えない。電灯の少ない山村では外は限りなく闇に包まれていた。すぐ先にある近くの家も見ることはできなかった。

老婆は俺に部屋と布団を用意してくれた。俺は寝床に就けたことで一気に体の力が抜け、そのまま布団に潜り込んだ。しかし、俺は眠れなかった。どうしてもあの老婆が気になったからだ。

親切に泊めてくれた老婆を疑うわけではないが、気味の悪い感じがどうしても頭に残った。俺は布団から身を乗り出して、襖を開けた。そこには老婆が恐ろしい形相でこちらを睨んで包丁を持って立っている姿が目に入った。

俺の身体は恐怖で硬直した。老婆はブツブツと何かを言っているように唇を動かしている。そして、唐突に大声で叫んだ。

「また来たな、よそ者め!!今度は逃がさんから覚悟しろ!!」

一瞬、頭が真っ白になった。老婆が何を言っているのか俺には理解できなかった。

老婆は包丁を振り上げて俺に襲いかかった。動作は遅かったが逃げるので精いっぱいだった。どうすることもできない俺は、窓を突き破って外に出た。外は何も見えないが、そこにいれば俺は確実に殺されるだろうと思い走った。

俺は走った。闇の中をひたすら逃げた。闇の中は、まるで道なき道を行くような感覚だった。

息を切らしてようやく明かりの灯った家の玄関を激しく叩いた。助けを求めるため必死だった。住人はただ事ではない雰囲気に玄関を開けてくれた。俺は助かったのだ。

俺は事情を家の住人に話した。近くの民家の老婆に殺されそうになったことを。すると、住人は、驚きを隠せない顔で俺を見詰めた。

​「そんなはずはない。あそこは廃家だよ。誰も住んでない」

​俺は、住人が何を言っているのかわからなかった。驚いている俺に住人は淡々と語り始めた。俺は徐々に自分の身に起きた恐怖を実感した。

実は、昔ここで殺人事件が起きたそうで、あの老婆の家が襲われたという。犯人は、村の部外者で、行く当てもないので家に泊めてほしいと装い、その一家を惨殺した。

犯人は、はじめ金品を目的にした犯行で、家族の寝静まった深夜に部屋を荒らしているところを家族に見られたそうだ。そして、一家は殺された。しかし、運よく殺されなかったのが、眠り続けていた老婆だった。

朝起きると老婆の前には血に染まった家族の死体が横たわっていた。老婆はショックを受け、錯乱した。老婆は自分の家族を殺した犯人を終世恨み続けたそうだ。その後、老婆は亡くなり、廃家となった。犯人は今も逮捕されていない。

俺が目にしたのは一家惨殺で生き残ったという老婆の幽霊なのだろう。そして、行く当てもなく家に泊めてほしい、という同じ状況が重なって、俺を犯人と間違えたのだ。

そして、家に現れた俺を襲った。老婆は死んだが、家に住み続け、復讐の機会を窺っていたのだろう。

すべての話を聞いて俺は理解した。村人がはじめ俺を避けて、家に上げなかったのは、その事件から部外者を警戒するようになったのだろうと。

学生時代に老婆の幽霊に襲われた体験は今も忘れられない。夜中に目が覚めると誰かに睨まれているような感覚が残っているからだ。
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