【実話怪談】廃墟の落書きに気をつけろ!!仲間を襲った呪いとは!?(2/2)

実話怪談 廃墟 不良 バイク 亡霊

画像:erickson abreu on flickr

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「オイデ オイデ ワタシハ ココニイルヨ」

まるでこの廃墟に棲みついた亡霊が侵入者を手招きするよう言葉だ。まさに亡霊が書いたかのような雰囲気がその言葉にはあった。これを見た奴が幽霊だと勘違いして驚き恐怖するのを想像して俺も仲間も大笑いした。

その日はそれで廃墟を後にした。廃墟も馴れてしまえば高揚感も無くなり、何もなければ面白くない。俺たちはそれから町へと繰り出した。それからしばらく廃墟の存在を忘れていた。

それから数週間が経ったある日の夜に仲間のひとりがバイクで事故を起こした。バイクに乗って危険な運転をしていたため、ガードレールに衝突してバイクは大破し、そいつも宙に投げ出された。

その時に俺は偶然にも仲間たちと一緒ではなかった。仲間たちは警察署に連れていかれ、バイクに投げ出されたひとりは病院に運ばれた。病院に着いた俺は話を聞かされた。そいつは頭の打ち所が悪かったため意識不明の重体だという。

俺は後悔した。そいつがバイクで危険運転していたことは前々から知っていたが、事故になるとは思わずそのままにしていた。大切な仲間を危険に遭わせてしまい、止めることもできたはずと悔やんだ。

俺は病院を抜け出し、我を忘れてバイクで走った。自分の無力さと後悔とで何もかも嫌になり、町を当て所もなく走った。ただひたすら走った俺は、気づくとあの廃墟の建物の前にバイクを停めていた。

それは不思議な感覚だった。まるで俺のバイクが廃墟の建物の何かに吸い寄せられるようなものだった。バイクのライトを入り口に向けた。俺たちが入った時と同じように入り口はベニヤ板で閉められていたが、俺には嫌な予感がした。

気になった俺は、入り口のベニヤ板を外して屋内を窺うことにした。そこには前とは違った痕跡があった。仲間がイタズラで落書きした言葉が入り口正面に見えたのと同時にその上に別の言葉が書き込まれていたのだ。

「ウレシイ ウレシイ トモダチ デキタ」

俺はその書かれた言葉に目を疑った。そして、今日バイクで事故に遭って意識不明の昏睡状態に陥っている仲間が、ここで落書きした同じ人物であると思い出した。

俺たちのイタズラはこの廃墟に棲みつく亡霊に見せかけて書いたものだが、それを誰かがそいつのメッセージだと受け取って返事をしたということだろうか。

俺は直感だが、これは俺たちの後に侵入した誰かのイタズラではないような気がした。この返事は本当にここに棲みつく亡霊によるものだと俺には思えた。だからメッセージの通り、亡霊は俺の仲間をトモダチにするため、あの世に連れて行こうとしているのだと。

俺は無我夢中で、廃墟の屋内に入り、その言葉を消そうと必死になった。何故だかわからないが、メッセージを消せば仲間が助かるのではないかと思えたからだ。

廃墟に転がっている木片で俺は言葉が書かれている壁を力いっぱい叩いた。壁は古くなっているため俺の力でも剥がれるくらいだった。俺は壁に向かって必死に木片を打ち付け、壁が崩れてメッセージが消えるまで続けた。それは深夜まで及んだ。

翌朝、俺が目を覚ましたのは廃墟の屋内だった。手には木片を握りしめていた。どうやら疲れた俺はその場で眠ってしまったらしい。壁は粉々に崩れて辺りはコンクリートの欠片だらけになっていた。そして、メッセージは消えていた。

その日の昼頃に、事故を起こした仲間の意識が回復したことを俺は告げられた。昨日の深夜に意識を取り戻し、今は正常だという。意識を取り戻した時刻は、俺が壁を破壊していた頃と同じだった。

壁のメッセージを消したから仲間は死の淵から這い上がり、この世に戻れたのだろうか。亡霊がメッセージを無効と受け取ったのだろうか。それは今でもわからない。

数ヵ月後に廃墟の建物は取り壊された。その建物が昔何に使われていたかは最後まで知ることはなかった。あの亡霊の正体もわからないままだ。今思えば本当に亡霊が書いたメッセージなのかも疑わしいと思える。

事故を起こした仲間は数ヶ月の入院の末に退院した。警察や周囲から相当怒られた俺たちは、更生して今に至る。仲間を失いかねない危険なことはもう辞めようと俺たちは誓った。現在では、働いて一家を養っている。すべてはあの夜の出来事から変わった。

これは俺の人生に起きた奇妙な話だ。
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