【実話怪談】記憶を失った男の前に現れた謎の美女!?「今度は私が先に・・・」(2/2)

実話怪談 病院 自殺

画像:Amparo Torres O. on flickr

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女性は、助かった男に改めて自殺を持ちかけた。男は女性の言っていることがわからず、拒否し続けたが、女は執拗に一緒に自殺することを強要する。それも今すぐ、病院の窓から飛び降りて死のうというのだ。

ここは地上6階で、十分死に至る高さだという。もちろん、男は死にたくはない。記憶のあった時の男がどういう状況であったかは知らないが、男は死にたいとは思わなかった。

女性は、男を必死に説得するが、それに男は応じない。しびれを切らした女性は、病室の向かい側の窓を開けた。

「さっきはあなたが飛び降りたから、今度は私が先に飛び降りて死ぬね。だから、あなたも私についてきて」

そう言い残して、女性はそのまま窓から飛び降りた。

男は勢いよくベットから降りて、窓に向かったが既に間に合うはずもなかった。呆然としながらも、この状況に呆気に取られていた。

先ほどまで自分の素性も知らず、現れた女性に一緒に自殺を図ろうとしていたと告げられ、結局自分だけがビルから飛び降り、そして今度はその女性が病院の窓から飛び降りた。男は再び頭が混乱し、頭痛がはじまる。

男は正気でいられなかった。女性が飛び降りるのを止めることもできず、その光景をただ立って見ていただけだ。次第に恐怖が襲い、足がすくみだした。男の足は力が抜け、膝立ちして女性が飛び降りた窓を見詰めていた。

その時、開いた窓の暗闇から片方の手が這い出てきた。もうひとつの手も窓枠を掴みながら、まるでよじ登るように動いている。そこに血だらけの女が顔を出し、男に向かって叫ぶ。

「どうして一緒に死んでくれないの?」

目の前には、窓から飛び降りた女が、こちらを見詰めている。男はあまりの恐怖からその場で気絶し、倒れてしまった。

男が再び目を覚ました。

そこは同じく病院のベットの上だ。しかし、先ほどの光景とは違っていた。男を取り囲んでいる数人が、名前を呼びかけている。それが男の名前だということに気づく。男が目を開けると、彼らは涙を浮かべた。男の家族と友人たちだった。

男は、自分の名前も自分が何者かということも理解できた。周りにいる家族や友人たちも把握できた。男は記憶を失ってはいなかった。しかし、なぜ自分が病院のベットの上で目を覚ましたのかわからないでいた。その理由を周りの人たちが教えてくれた。

男はあるホテルで火災に遭い、逃げ遅れたのだ。駆けつけた消防団員たちに救助されたものの、病院に運ばれてから男は3日間も意識を失っていた。昏睡状態が続き、両親や友人が見舞いに来た時に男の意識が戻ったのだ。

さらに火災の原因を聞かされる。ホテルで自殺しようとした女性が、火を放ち客や従業員を巻き込んで無理心中を図ったのだ。どうやらホテルともども放火して、無差別に自殺の道連れにしようとしたようだ。女性はひとりでは死ねず、一緒に死ぬ相手を探していたが、うまくいかず無理心中のやり方を選んだ。

女性は死んだが、その他の死者は出なかった。どうやら男はその女性の隣の部屋にいたため、出火元の近くで多くの煙を吸い込み、昏睡状態になったのだと、後に男は説明された。

男は意識を失っていた間見たものはなんだったのだろう。あれは現実だったのだろうか。友人たちや看護師に聞いても、男はずっとベットで意識不明の重体で、ベットから起き上がっていないという。やはりあれは悪夢だったのだろうか。

女性は、男を道連れにするために夢の中に入ってきたのだろうか。その真相はわからない。しかし、夢の中の女性は苦しそうで、孤独なようにも見えた。
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