寝ている者をあの世へ導く!?意外と侮れない妖怪枕返し!!(2/2)

妖怪 初夢 枕返し あの世

画像:David Goehring on flickr

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枕返し

一言に「枕返し」と言ってもその伝わり方は各地で様々です。地方によっては、枕返しを妖怪とする地域もあれば、人間の霊とする地域もあります。ひとつに定まらずバリエーション豊かなのが伝承の面白いところです。

各地の伝承から、寝ている者の枕をひっくり返す、という話は共通していますが、その正体は様々です。たとえば東北地域では、枕返しは座敷童であったり、また別に人間の霊や狸などの動物が化けた姿と考える地域もあります。

枕返しについての有名な逸話もあります。昔、旅人が宿泊した先で宿の主人に襲われます。その旅人は大金を持っていたため、金目当てに殺されてしまったのです。

以来、旅人の霊は宿泊した部屋に棲みつき、客の枕を返しては災難をもたらすようになった、という話もあります。

人間の怨念が妖怪に変化するとは限りませんが、各地に残る妖怪伝説の裏には、人間の死や怨念が関係していることは間違いないようです。各地に残る枕返しの伝承にも怨念が深くかかわっていると言われています。

あの世

枕返しに枕をひっくり返されると災難が起こるといいます。災難の多くは、病気に罹り、事故や火事に遭うとされます。不幸が身に起こるとされ、場合によっては死に至るとも言われているのです。実はここに、日本人の夢に対するある不安が関係しているのです。

当時、夢を見ることは、あの世を見ることでもありました。夢を見ている間、肉体と魂は分離されていると考えられていたのです。夢から覚めれば、元の状態に戻ります。戻らなかったとき、それは死を意味します。

元の世界とあの世の橋渡しとなった道具が枕なのです。枕は肉体と魂を分離させる道具と考えられていました。その枕をひっくり返すということは、肉体と魂がうまく元に戻らない状態を意味します。つまり、死に近づくとされていたのです。

元に戻らずに日常生活を送っていれば、災難に見舞われるということです。

まとめ

初夢の吉凶からあの世の冒険にまで夢の話は尽きません。昔の日本人にとって夢は、それほど神秘的だったのです。死が夢の延長と考えれば、たとえ死を迎えても、それはあの世に移ったと思え、死の苦しみから逃れられると考えたのでしょう。

そして、この枕返しの話には、悪事を働けば夢から戻れなくなるという警告も含まれています。悪事を働けば、枕返しが枕をひっくり返して、そのまま死ぬということです。これは悪に対する戒めの意味が含まれていたのだと思われます。
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