Ranpoに寄せられた実話怪談、声優専門学校で起きた不思議な体験とは?!

声優専門学校 レッスン室 新人声優
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2016/08/15
怪談
画像: g-hz.sblo.jp
この話は、新人声優のYさんから聞いた話です。

「実は、途中までしか覚えていないんですが・・・」

そう前置きをして、Yさんは話し始めました。

九州出身のYさんは、上京前に地元の専門学校で声優になるための勉強をしていました。

その専門学校は全国展開をしている大手で、Yさんの在籍していた声優科のレッスン室は4階と5階、講師室は最上階の6階にありました。

レッスンの生徒は通常、講師室に行くことは無いのですが、卒業公演の準備のため講師室のある6階の奥の空き部屋を倉庫として使わせてもらうことになりました。

公演に使う大道具、小道具、衣装もレッスン生たちが手作りをします。

それらの製作を担当するレッスン生は6階の倉庫へ頻繁に出入りすることになるのですが、その中に自称霊感体質のNさんという女の子がいました。

Nさんは、6階にいると寒気がする、誰かに見られているような気がすると他のレッスン生に訴えていましたが、元々レッスンに対して熱心なタイプではなかったため裏方仕事をさぼるための口実だろうと、あまり相手にされていませんでした。

やがてNさんは頻繁に稽古を休むようになり、いつの間にか学校も辞めてしまいました。

  その直後から、Nさんの証言を信じていなかった他のレッスン生の間にも「6階にいると嫌な感じがする」という噂が広まりました。

Yさんも噂が気になり、いつも6階の講師室を利用する先生にそれとなく聞いてみましたが、特に変ったことは何も無いとのことでした。

卒業公演の準備も大詰めになり、大道具や小道具を実際に使って稽古をするため、6階の倉庫へ荷物を取りに行くことになりました。

Yさんを含む総勢7名で、階段を使って6階へ上がりました。

その中には初めて6階へ足を踏み入れるメンバーもいて、Yさんもその中の一人でした。

奥にある倉庫から必要な道具を次々運び出すと、結構な量になりました。

中には重い物もあったので、講師の先生に許可を得てエレベーターでレッスン室のある4階に降ろすことになりました。

エレベーターが到着しドアが開いた瞬間、Yさんはエレベーターの中から白い霧が床一面にサーッと広がるのを見たそうです。

そして、一気に周囲の温度が下がって冷凍庫の中にいるような感覚が身体を襲い、Yさんは気を失ってしまいました。

目が覚めると、Yさんは医務室のベッドに横たわっていました。

一緒に6階に行った女子たちが安堵の表情を浮かべていました。

数時間は気を失っていたと思ったら、1時間も経っていなかったそうです。

医務室に運んでくれたお礼を言ってから、Yさんは自分が気絶した後の状況をクラスメイトに聞いてみました。

すると、全員の表情が一瞬曇った後、口々に「別に何も無かったよ」と言いました。

明らかに何かあったリアクションです。

しかし、それ以上追求できる雰囲気では無かったので、Yさんは教室へ戻ると6階で自分が倒れた瞬間に居合わせた男子生徒にも何があったのか聞いてみました。

「あれだけ叫んで、何も覚えていないの?」

一瞬言葉を失いました。あれだけ叫んで……

どうやら気絶していた私は何かを必死で叫んでいたようです。

男子生徒はしまった、という表情を浮かべその後、堅く口を閉ざしました。

私は、本当に何も覚えていません。

女子たちは慌てるようにほぼ皆同時に「別に何も無かった」と口を揃えて言いました。

結局その時の状況を知ることなくYさんは専門学校を卒業してすぐに上京し、あの場に居合わせたクラスメイトたちとも離れ離れになりました。

「当時のことを知っている友達に今でもたまに聞いてみるんですけど、絶対に教えてもらえないんです」

知って後悔するのと、知らないでモヤモヤし続けるの、どっちが楽なんですかねぇ。

そう言ってYさんは苦笑し、小さくため息を漏らしました。