【実話怪談】仲良し夫婦の部屋から聞こえる壁を叩く音!背筋も凍る正体とは!?

人形 赤ちゃん
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2017/06/26
怪談
20代前半頃の話です。私は新卒で入った会社を2年ほどで辞めました。

営業職であった私の仕事はノルマに追われて毎日が終電で帰る日々でした。加えて会社の先輩方には怒鳴られいびられる現場でした。肉体的にも精神的にも限界を超えていました。

次の就職先を見つけて辞めるべきでしたが、追い詰められていた私にはそんな余裕はありませんでした。会社を辞めてから昼間に家で過ごす日々が続きます。その時に体験したアパートの隣人の話です。

私のアパートの部屋は一階です。3つの部屋が横並びして私の部屋は中央に位置しています。

部屋の両隣にはすでに人が入っており、一部屋には独身のサラリーマン、もう一部屋には1組の夫婦が住んでいました。夫婦には最近赤ん坊が生まれ3人暮らしでした。

しかし、私は奥さんとほとんどあったことがありません。夫婦がアパートに引っ越してきた際の挨拶回りと廊下で数回すれ違っただけです。またいつも下を向いて歩くため奥さんの顔もハッキリと認識していませんでした。

対照的に旦那さんは明るくまじめな方でした。時々、朝駅のホームで顔を合わせてもそれほど親しくない私に話しかけ、陽気に冗談を言ったりします。会話はほとんど務めている会社の話に終始し、家庭の話はしません。むしろあえて避けていたのかもしれません。

私が会社を辞めた後は会っていません。おそらく旦那さんも最近私と駅のホームで会わないと思っているかもしれませんが、隣人とはいえ立ち入ったことに首を突っ込むことは言ってきませんでした。

私は昼間の面接や会社訪問以外ほとんど家の中にいました。余計な出費を抑えたかったことと知り合いに会ってわざわざ説明するのも面倒だったからです。隣人の旦那さんと偶然出会えば気まずい思いをするのはわかっていました。そのため食事も深夜のコンビニで明日の食糧を調達する日々でした。

会社を辞めてから家に引きこもるようになったある頃から私は奇妙なことに気付きました。昼間の隣人夫婦の部屋から物音が頻繁に聞こえてくるのです。それも一日に何度も壁に叩きつけるような音でした。

音は夕方近くになると鳴りやみました。それは周囲の住民の目を気にしているようでした。夫婦の部屋の上の階の住民もやはり独身者で昼間は居ません。昼間に人々が外出したのを見計らうようにして物音はほぼ毎日続きました。

おそらく壁を叩きつけているのは奥さんでしょう。旦那さんがいる休みの日は一切物音はしません。旦那さんが居ない平日に奥さんが部屋で一人行っているのでしょう。

何度か注意をしようと思いましたが結局辞めました。平日の昼間に私が居るのも不自然ですし、旦那さんに相談しようとも思いましたが他人の家庭に口出しするのはやはり咎めました。気にはなりましたが騒音というほどでもありませんでした。 しばらくして奇妙なことに気付きました。夫婦の部屋から赤ん坊の泣き声が一度も聞こえてこないのです。それは昼も夜も同じでした。赤ん坊が生まれたことは私が会社を辞める前に旦那さんから聞いていました。しかし、一度も壁の向こうから泣き声は聞こえてこないのです。

私はその時よからぬ想像をしました。壁に叩きつけているのは赤ん坊ではないかと考えました。奥さんは極度の産後ストレスかなにかで精神的に追い詰められたと思いました。

思い返せばこれまで私が家に引きこもっている間に隣の奥さんが、昼間外出したところを見た覚えがありません。そして、赤ん坊も一度も見たことはありません。もしかすると奥さんがすでに殺してしまったのではないか、と思わずにはいられませんでした。

そんなことを考えていたある日に、夫婦は私の部屋にやってきました。旦那さんはニコニコと爽やかな態度で部屋のドアを開けます。後ろには奥さんが赤ん坊を抱きながらあやしていました。

私は驚きと共に安心しました。赤ん坊は死んでなどいませんでした。すべては私のくだらない思い過ごしだったのです。顔は奥さんの方を向いて見えませんが、赤ん坊はちゃんと奥さんの手の中にいました。

夫婦が私の部屋に来たのは最後の挨拶回りでした。聞くところによると急な仕事の都合で部屋を離れなければならないことになったといいます。

急なことであたふたしながらも私は簡単な挨拶を終えてドアを閉めようとしました。その時、私は背筋の凍る真実を見ました。

一瞬ですが、奥さんが身体を横に傾けて抱きかかえている赤ん坊の顔が見えたのです。

それは傷だらけの人形だったのです。奥さんが赤ん坊のように大切に抱きかかえていたのは人形だったのです。

夫婦が引越した後、大家さんがこっそり教えてくれました。赤ん坊は生まれてすぐに亡くなったけど、奥さんはその事実を受け入れられず一時は精神を弱めてしまった。そこで旦那さんが赤ん坊の姿を模った人形を奥さんに宛がって落ち着かせたと言います。

奥さんは言うことを聞かない人形に腹を立て乱暴に扱っていたようです。壁に叩きつけていたのは赤ん坊の人形だったのです。