瞬間移動で霊水を出現させた明治の超能力者!!前代未聞の超能力試験とは!?

冝保愛子 ユリ・ゲラー 長南年恵 御霊水裁判 江原啓之
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怪談
画像: Jason Bolonski on flickr
近年では超能力者やスピリチュアリストの登場が目立っています。ユリ・ゲラー・冝保愛子・江原啓之が挙げられるでしょう。超能力者の出現はなにも近年に限ったことではありません。明治時代にも不思議な力を持った超能力者はいました。その一人が長南年恵です。

長南年恵は超能力で数々の奇跡を起こしていきます。人々は彼女を女生神(オンナイキガミ)と呼んで助けを求めるようになります。しかし、奇跡は世間に受け入れられず、年恵は詐欺容疑で逮捕されます。しかし、その結末は意外なものでした。

長南年恵

文久3年(1863年)に現在の長南年恵(戸籍上は「登志恵」と表記)は山形県鶴岡市に生まれます。庄内藩士の長女として育ち、下には雄吉という弟がいました。

長南年恵は20代半ばから超能力者として目覚めます。年恵の超能力は物質を出現させる瞬間移動の一種(アポーツ現象)です。アポーツ現象とは、時間と空間を超越して物体を瞬間的に移動・出現する現象をいいます。

年恵が起こした超常現象は何も入っていない空き瓶の中を水で満たすという超能力でした。祈りを捧げると空き瓶が虹色のような鮮やかに変色し、中は水で満たされたといいます。

人々はこの出現した水を「霊水」または「神水」と呼び、飲むと難病が治ると信じました。年恵は霊水を売り、祈祷料などで生活をしていました。事実、年恵の霊水で病気が治ったとも言われています。

年恵の奇跡は他にもあります。ほとんど飲まず食わずでも身体に変調は無く、汗や垢もほとんど出なかったといいます。また年恵の前に神仏が現れ、会話をする姿も目撃されたといわれています。

事実証明願

未知の力を持った超能力者が世間に受け入れられないのはいつの時代も同じです。年恵は超能力を認めない人々から非難を浴び、時には警察に拘置される事態にまで発展したこともあります。

しかし、この拘置所での勾留が超能力を証明する結果となります。年恵は拘置所内でも超能力を発揮し、奇跡を起こすのです。この奇跡を警察に認めてもらうべく年恵の弟・雄吉は「事実証明願」なるものを山形県監獄鶴岡支署長宛に提出します。

奇跡を目撃した警察に超能力を認めてもらえれば年恵に対する世間の目も柔くと思ったのでしょう。拘置所で起こした年恵の奇跡は8つです。

・生理現象(尿や大便)が無いこと
・ほぼ絶食であること
・実際に瞬間移動を起こします。霊水1瓶、お守り1個、薬一服を何もない所から出現させたこと
・他の囚人にせがまれて薬を出現させ、その薬が囚人から見つかったこと
・年恵の合図とともに笛の音や鳴り物の音が聞こえたこと
・年恵の髪と肌は常に綺麗だったこと
・華奢な年恵が25リットルもの水桶を軽々と持ち上げたこと
・夏の蚊に囚人たちが困惑するなかで年恵だけが無傷であったこと

これらの奇跡を記した事実証明願が通れば年恵は超能力者と認められることになりますが、警察は却下します。警察が超常現象を引き起こす超能力者を認めるわけにはいかないからです。ただし、実際に起こった奇跡であることから署長も困惑したと言われています。

御霊水裁判

年恵の超能力は世間や警察から受け入れてもらえませんでした。遂には医師の資格なしに治療を行ったとして詐欺行為で逮捕されました。明治33年(1900年)までに計3回も逮捕され、拘置されます。

拘置を不服とした年恵は神戸地方裁判所で再審を申し立てます。裁判の判決は「いずれも証拠不十分の無罪」でした。これが後に「御霊水裁判」と呼ばれます。

御霊水裁判は世間の注目を浴び、超能力に興味を持った弁護士たちが年恵に霊水を出現させる試験を申し込みます。弁護士立ち合いの前代未聞の超能力試験です。

年恵は事前に服を脱がされ、何も隠し持っていないことを検査されます。用意された部屋には空き瓶が用意されます。超能力に集中するため部屋には年恵だけとなりました。

数分後、部屋から出てきた年恵の手には霊水で満たされた瓶がありました。弁護士は先程と同じ瓶であることと、年恵が何も所持していないことを確認します。トリックの入る余地はありません。奇跡は成功しました。

瓶と霊水はすぐさま調べられましたが怪しい痕跡はありませんでした。年恵は弁護士たちの厳しい立ち合いのもと瞬間移動の奇跡を起こしたのです。

年恵は霊水が病を治すこと、自分の超能力が本物であることを主張しました。弁護士たちは年恵の超能力を認めざるおえませんでした。

当時の新聞は年恵の超能力を大々的に報道しました。世間に超能力の存在を示したあと年恵は超能力実験の7年後の1907年に永眠します。43歳の波乱万丈の生涯を終えたのです。

超能力

彼女が起こした瞬間移動の超能力は本物だったのかトリックだったのか今では知ることはできません。しかし、明治という時代に翻弄された女性であることは間違いありません。

実は明治に入るとこうした奇跡や怪奇現象の類いは厳しく罰せられていたのです。文明開化の新しい時代に超能力を認めるわけにはいかなかったのです。彼女の罪状が医師の資格を持たないで治療を行った、というのも後付けでしかないのです。

時代が移り変わった明治の時代に長南年恵のような超能力者は混乱の対象とされてしまったのです。しかし、新しい時代に対処できない人々は年恵の超能力を信じたことでしょう。彼女には一定の支持者もいたからです。

そんな人々の思いを受け止めながら彼女は時代と戦ったのです。彼女が超能力者として活動したのはそんな人々と共に新しい時代を生き抜こうという強い信念があったからなのかもしれません。

参考サイト:
超常現象の謎解き

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