80年代ブームのキョンシー映画!?中国に伝わる死体妖怪の伝説!?

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2017/07/24
怪談
吸血鬼や狼男、ゾンビは、人間の生命を脅かす西洋の伝説上の怪物です。東洋にも人間の生命を脅かすとされる伝説上の怪物がいます。それが、中国版ゾンビとも呼ばれるキョンシーです。

キョンシーは、中国に伝わる死体妖怪です。死んだ人間が夜になると突然動き出し、人間を襲うと伝えられています。体は硬直し、足首のみを動かしてバランスを保つため両腕を前に伸ばしながら跳ねて移動する妖怪です。

日本では、80年代後半に映画『霊幻道士』『幽幻道士』シリーズで有名となりました。一般的に知られているキョンシーのイメージはこの映画の影響が強いようです。

映画公開から30年以上たった今でも根強いファンはおり、キョンシーに魅了される人は少なくないようです。

キョンシー

キョンシーの出現は、明や清の時代(1368年)までさかのぼります。多くの文献にキョンシーらしい記載があります。昔から死んだ人を埋葬せず、そのまま放置し続けると、死体が夜に動くと言われていたようです。

古来中国の教え道教に、「魂魄(こんぱく)」という言葉がありました。人間の身体には、「魂(こん)」と「魄(はく)」の異なる2つの気が存在する考えです。「魂」は精神を支え気、「魄」は肉体を支える気と言われています。人間は死ぬと「魂」は天に上り、「魄」は地に帰るという教えです。

しかし、状況によって「魄」だけが死んだ人間の身体に残ってしまう場合があるそうです。その死体こそがキョンシーです。自我が無いまま呆然と夜をさ迷う人喰い妖怪です。

死んだ人間が、風水的に正しくない埋葬をされるとキョンシーになると言われています。また生前の強い怨恨・怨念が原因とも言われていますが定かではありません。映画でも取り上げられたような道士(道教の師)や符呪師によって無理やりキョンシーとして目覚めさせられる場合もあるようです。

人喰い妖怪

精神の気「魂」の無いキョンシーには自分の意思がありません。そのため生きた人間の生血を求めて生きた人間を襲いだします。首下の頸動脈に鋭い牙で噛みついて生血を吸い、その人間を死に至らしめます。

そして、キョンシーに襲われた人間もまたキョンシーと化すのです。死んだ人間に限らずキョンシーの鋭い爪で皮膚を裂かれたり、噛まれて傷を負わされれば生死に関わらず、その人間はキョンシーとなります。

キョンシーには、特殊能力も備わっています。先程の鋭い爪には猛毒があります。キョンシーは、肉体を支える気「魄」が宿っているため爪も髪も伸びます。また空中を浮遊する能力も備わり、満月時は凶暴化するため最強のゾンビと言えるかもしれません。

そんなキョンシーにも弱点があります。お札や雌鶏の血、もち米、桃木剣に鏡です。お札を額に貼ればキョンシーは動かなくなり、操ることもできます。もち米は噛まれた傷に当てれば毒を中和できると言います。桃の木で作った桃木剣と鏡は、キョンシーを攻撃する際に有効です。

他にも、男子の尿や雌鶏の血をかけると弱まるとも言われています。最強のゾンビにも弱点は多いようです。キョンシーは、西洋の吸血鬼や狼男に似たところも見られることから映画やドラマ化の際に多少の脚色はあったのかもしれません。
 
出典:微读吧

キョンシーの起源

キョンシーの起源は、道教にあると言われています。明の時代に、出稼ぎや戦争で地方に出ていた人間が亡くなると遺体を故郷に搬送しなければなりません。しかし、大量の遺体を運ぶには手間がかかります。

そこで当時妖怪退治も担っていた道教の一派である茅山(マオシャン)道教が、遺体に呪術をかけます。呪術により遺体を歩かせることで手間は軽減されます。これが、キョンシーのはじまりと言われています。呪術は「趕屍(かんし)」と呼ばれる方法です。

お札を貼られたキョンシたちは、呪術者を先頭に一列に並び、両腕を前にして、足首を使って跳ねながら行進します。呪術者の命令に従い、故郷まで連れていかれるのです。

キョンシー映画

80年代後半に流行した映画『霊幻道士』『幽幻道士』はこれらの中国の伝承を元に作られました。当時は、テレビなどで放映されましたがキョンシーの死相は、刺激が強く、泣く子供たちも後を絶たなかったようです。

しかし、映画はカンフーアクションあり、コメディ要素も多く含んだコミカルなホラー映画でした。映画は人気となり、子供たちは恐怖に耐えながらキョンシーと道士の活躍する映画を楽しみに見ていました。今では規制があって地上波は難しいでしょう。

キョンシーは、今なお大人になった子供たちを興奮させ、魅了し続ける愛すべきキャラクターとして言っていいかもしれません。

出典:
Wikipedia