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2017/12/27
実話怪談
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  • 【実話怪談】雪山の小屋にいた3人!!私に語り掛ける奇妙な遭難者!?

大学生 雪山 遭難者
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目を開くと山小屋の中でした。そこには見知らぬ男たちが私を上から見下ろしていました。どうやら私は気絶してその場に倒れ込み、彼らによって暖炉の前まで運ばれたようでした。布団を掛けられた私は2時間ほど眠りに就いていました。

山小屋には私の他に3人の男性がいました。皆50代後半でしたが、かなり老け込んでいる様子でした。すべてに疲れているような顔をしており、誰ひとり生気を感じませんでした。彼らも遭難者と答えます。

私より先に山小屋に入って暖を取っていた3人ですが、こちらも登山の最中に吹雪に見舞われ、この山小屋に避難してきたと彼らは言います。3人はお互いが初対面で、偶然この山小屋で一緒になったそうです。

私は彼らに迎え入れられ、暖炉のそばで身体を乾かし、数少ない食料と水を頂きました。命が助かったことは喜ぶべきことですが、私は沈み込んでしまいました。

遭難という緊張状態から私の精神は弱り切っていたのです。頭に思い浮かんだのは、自分たちは救助されず、そのまま死んでしまうのではないかという不安でした。また食料も水も4人ではすぐに底を突いてしまう恐れもありました。

私は最悪のことを考えてばかりでした。次第に落ち込んでいき、気が付くと私は涙を流していました。本当に死にたいと思えるほど辛かったからです。

「もうダメかもしれない・・・」

絶望する私が発した言葉に3人は振り向きました。弱音を吐く私に驚いたのでしょう。すると、それを見かねた1人が私に近づいてきました。

「ツライこともある。でも諦めちゃだめだ。どうすることもできないことだってあるけど、大丈夫だ。君はまだ若いんだから」

彼は私を勇気づけようと励ましてくれました。他の2人も私に語り掛けてくれました。彼らは、これまで自分が歩んだ人生を熱心に話してくれたのです。

「僕は家族に迷惑をかけてきた。子供とも会えない。でもキミは家族を大切にするんだよ」

「ワシは横柄な態度で周りに迷惑をかけてしまった。あんたは強く生きろ」

そして最初に語り掛けてくれた男が言います。

「君はまだ若い。我々の分まで頑張るんだ」

私は彼らの話を、少し不思議な気持ちで聞いていました。

やがて吹雪は一層激しくなり、夜も更けてきました。しかし、3人の話は続きます。私に伝えたいことがあるかのように、彼らは必死に語り掛けてきました。

しかし、遂に私も限界を迎えて眠りにつきました。彼らは話すのを辞めて自分の床に就きます。薄れゆく意識のなかで、彼らが涙ぐむ声が聞こえてきたように思いました。

次の日、私が起き上がると3人は山小屋の中にはいませんでした。吹雪は止み、晴れた空に雪山の姿が見えました。私は3人を探すため、外に出ることにしました。

私は山小屋の裏手に回りました。するとそこには、崖下に街の景色が広がっていました。昨日は吹雪で見えませんでしたが、すぐそばには人家があり、仲間が泊まっているホテルも目の前にあったのです。

私は喜びました。他の3人にもこのことを教えようと山小屋の周りを探しました。すると、山小屋に近い林の入り口で3人の首を吊った姿が目の前にありました。すでに3人は息をしていませんでいた。

それからどうなったか詳しくは覚えていません。人の話では、私は雪山から血相を変えて戻ってきて、山小屋で人が死んでいることを伝えたあと意識を失ったといいます。

遭難した私を助けるため、救急隊員が待機していました。山を下りた私の言葉で、救急隊員たちは山小屋に向かいました。すると、山小屋周辺の林で3体の遺体が発見されました。

救急隊員の話では、彼らは遭難ではなく、集団で首を吊るために山に登った自殺者志願者たちだったそうです。それは彼らのバックにあった遺書から判明しました。

遺書は各々の胸中が書かれていました。会社経営の失敗による多額の借金、抑えきれない暴力行為による罪の意識、度重なるストレスなどそれぞれの動機が書かれていました。

そして何より驚いたのが、彼らの遺体は死後二、三日経っていたということでした。それは私には考えられないことでした。なぜなら私は遺体を発見する前日に遭難し、山小屋で彼らと一夜を共にしたからです。

彼らは、私が山小屋に到着する前に既に首を吊っていたのです。私が一夜を共に過ごした3人は彼らの幽霊だったのではないかと思いました。3人は弱っている私を助けるために語り掛けてくれたのです。そして、彼らの心の叫びを私に聞いてほしかったのです。

今思い返せば、3人はこれまでの人生を悔やみながらも私に同じ失敗をしないように諭していたように思います。

私に生きてほしいから助けたのだと、今ではそう思うようにしています。
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