世界一邪悪な男!アレイスター・クロウリーの黒魔術

秘密結社 黒魔術 アレイスター・クロウリー 銀の星 リベル・サメク
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都市伝説
画像: Sol Robayo on flickr
占星術や錬金術、魔術を実践する者をオカルティストと呼びます。もともと西洋の神秘思想からオカルティズム(神秘学)は生まれましたが、近代では怪しげな秘密結社や魔術結社などが、それぞれの教義や世界観を基に研究や実践を行っているようです。

オカルティストと呼ばれる中には、世間から「世界一邪悪な男」と呼ばれた魔術師アレイスター・クロウリーがいます。クロウリーは、20世紀に現れたオカルティストで、自ら魔術結社「銀の星」を立ち上げ、『法の書』なる怪しげな書物を執筆します。

有名アーティストに影響を及ぼしたといわれていますが、その正体は麻薬と性に溺れた欲望まみれの魔術師でした。一部の熱狂的なファンに支えられますが、魔術の儀式中に死者を出したことからその名は失墜してきます。

今回は、現在でもオカルティストの間で語り継がれる魔術師アレイスター・クロウリーについて紹介します。

アレイスター・クロウリー

魔術結社「銀の星」を立ち上げたアレイスター・クロウリーは、1875年にイギリスで生まれます。彼の家族は、キリスト教でも神の教えを厳格に守るカルヴァン派に属していました。オカルティストになった背景には、カルヴァン派の教えが影響しているといわれています。

その後、ケンブリッチ大学在学中にオカルティズムにハマりはじめます。イギリスでも有名なオカルティズムの結社「黄金の夜明け団」に入会し、怪しげな儀式や魔術を習得していきます。

しかし、黄金の夜明け団に馴染めなかった彼はしばらくして脱退し、世界中を旅するようになります。この時、東洋の密教などを会得し、ヨガや呪術を学びます。この経験が後に彼の人生を決定づけます。

旅行中のパリで結婚相手となるローズと出会います。結婚後、2人が訪れたエジプトで彼女を霊媒にし、守護天使を呼び寄せることに成功します。この守護天使から受けた啓示を『法の書』としてまとめ出版します。

オカルト好き青年は、この時から本格的にオカルティストとして活動を始め、自ら「銀の星」なる魔術結社を創設するに至ります。

銀の星

銀の星は、クロウリーがまとめた聖典『法の書』を基に活動を行っていきます。『法の書』の教えは「テレマ哲学」と呼ばれます。その教義はキリスト教の教えとは違い、自己の内面をさらけ出すべきと主張するものでした。また、既存の神の信仰を辞め、新しい時代の神を崇拝せよ、との教えを説きます。

『法の書』は自己の解放を説いたものでした。これには西洋のオカルティズムをはじめ、黄金の夜明け団の魔術儀式、仏教や密教の教えが混在するものでした。銀の星の活動は、このようなクロウリーの経験に基づく『法の書』の教えを実践するものでした。

しかし、自己の解放とは名ばかりで、実態はアヘン、ヘロイン、コカインの薬物乱用に、男女が交える乱交など見るに堪えないものでした。彼の信者とされる者たちも発狂や自殺者を出すまでとなります。

いつしか魔術結社銀の星は、世間から非難を浴び、クロウリーもマスコミや新聞に「世界一邪悪な男」と呼ばれるようになります。マスコミの報道は過熱し、クロウリーは同性愛者という記事まで出るようになります。この騒ぎがきっかけとなり、多くの信者やファンが彼の元から離れていきます。

リベル・サメク

特に世間から批判を浴びたのが、クロウリーが編み出した「リベル・サメク」という性魔術です。クロウリーは、人間の性を開放させることで、神の創造の力となると考えたのです。これは東洋の秘術をヒントにし、クロウリー独自の解釈から考案されました。

このような性魔術を唱えることが歪曲し、同性愛のレッテルが貼られたのかもしれません。

同性愛騒ぎからその後、銀の星を解散し、独自の性魔術を磨くためにイタリアでテレマ修道院を設立します。テレマ修道院も麻薬や性を扱った儀式を行いますが、儀式中にひとりの男性が感染症を発症し、死亡させる事故が起こります。この事故により、クロウリーの名声は地に落ちます。

この事件で、イタリア政府から国外退去を命じられ、イギリスに戻ります。晩年はタロット研究や執筆活動を行いますが、儀式の影響からか、すでに身体は麻薬中毒に侵されていました。

1947年にオカルティストとしての生涯を終え、七十二歳でこの世を去ります。

クロウリーはいかがわしい儀式と騒動により世間から嫌われた存在となっていますが、彼が残した功績もあります。タロットのひとつ、トート・タロットのデザインは彼の考案したものです。またイギリスのヘヴィメタのアーティストにも彼の影響が少なからずあったといわれています。

アレイスター・クロウリーは純粋にオカルティズムを追求したかっただけかもしれませんが、奇抜過ぎる儀式と魔術に、限度を超えてしまったようです。

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