顔は猿 胴体はタヌキ 手足は虎 尻尾は蛇の大妖怪!?悲鳴に似た鳴き声を放つ鵺(ぬえ)

妖怪 平安時代 平家物語
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2018/09/10
スピリチュアル
鵺(ぬえ)、日本が平安時代に入った1150年代から目撃され始めます。『平家物語』にも登場した日本の代表的な妖怪(物の怪)です。当時は「?」とも記され、「夜鳥」「奴延鳥」とも明記されていました。(読み方は全て同じく「ぬえ」)

『平家物語』では鵺の容姿を紹介しています。それは単一的な獣ではなく、顔はサル、胴体は狸、手足は虎、尾は蛇という複合された獣の姿として紹介されています。ちなみに『源平盛衰記』でも鵺は登場しますが、頭は猫で、胴体は鶏という微妙な違いも見られます。

毎晩午前二時になると何処からともなく黒雲が昇り、辺りを漆黒に覆われると鵺が現れると伝わります。時の近衛天皇は悲鳴に似た泣き声に恐怖したと言われています。この天皇の一大事に駆けつけたのが、源頼政(みなもとのよりまさ)でした。

源頼政は、武勇に秀でた武将でもありました。頼政が黒雲に矢を放つと中から鵺が現れます。鵺はそのまま落下し、地上で待ち構えていた者たちによって取り押さえられます。その上で、九回も太刀で切りつけてやっと仕留められます。

頼政は鵺の身体をバラバラに切り刻み、それぞれの部位を船に乗せて流したと伝わります。

1160年代にも、また鵺らしき声が毎夜の如く天皇を苦しめます。ここでも頼政が鵺を退治します。朝廷は頼政に鵺退治の褒美として、平安時代の日本刀「獅子王」を与えたそうです。

ちなみに、「鵺」という異称の鳥は現実に存在します。それがスズメ目ヒタキ科のトラツグミです。トラツグミの泣き声は、まるで人間の悲鳴に似ているため、不吉な印象を与えます。そのため凶鳥とも呼ばれています。

もしかすると、トラツグミの不吉な泣き声を「鵺」と呼んでいたものの、後年の人が恐ろしい姿を想像して、あのおどろおどろしい怪物の姿を付け加えたのかもしれません。鵺は人間の恐怖が生んだ怪物ともいえるのではないでしょうか。