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2018/09/13
伝説
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  • 夢を食べる獏は日本で生まれた幻獣!?中国では金属を食べる!!

中国 江戸時代 幻獣 獏枕
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獏といえば、「人の夢を食べる」というイメージがあるかもしれません。元もと獏は中国の古い文献などに書かれた幻獣として紹介されていますが、「人の夢を食べる」という記載は一切ありません。この獏のイメージは、日本から発生したものなのです。

中国における獏のイメージは一定せずに文献などに残されています。熊に似た黒白のまだら模様、黄黒色の毛並み、手脚は短く頭も小さいなど統一性がありません。またある文献には、象の鼻に犀の目、牛の尾、虎の脚を持つ幻獣として紹介されています。おそらく、パンダやバク(動物)の見間違いでしょう。

しかし、いくつかの文献に共通するものがあります。それが、金属を食べるという表現です。鉄や銅などを食すため、歯や顎は丈夫といえるでしょう。獏の歯や骨は斧でも叩き切れず、火にも強いと伝説があります。

伝説として挙げれば、獏の糞から作った刃物は、切れ味が鋭く、金属でも切断できると伝わります。また尿は鉄を溶かして水に変化させるとまで伝わるので、幻獣としての獏のイメージは日本とだいぶ違うようです。

中国では、これほど強い獏は縁起が良い幻獣とされ、獏を描いた絵は、病気や邪気などを払う効力があると信じられるようになります。唐の時代(約600年代)には、獏の屏風も流行し、邪気を払うお守りのような風習も生まれます。

中国の文化が日本へと流れると、獏は縁起物として用いられるようになります。当時の日本人は、獏を中国から入ってきた絵図などでしか知ることはなかったでしょう。獏の絵は邪気を払うお守りとして伝わり、やがて縁起物として日本に拡がります。

江戸時代には、節分の夜に宝船の絵を枕の下に入れる風習がありました。その絵に、獏の絵や文字も入れると悪い夢を見ないと信じられるようになります。これが「人の夢を食べる」と変換されて現代にまで伝わったように思われます。

ちなみに、節分ではなく、正月に好い初夢を見るために枕の下に絵を忍ばせたのがはじまりという説もあります。どちらにしても、獏の描かれた絵を枕の下に敷くことを「獏枕」と言います。
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