U字カーブにはご用心!!猛スピードで走らせながら見たものとは!?

幽霊 サーキット
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2018/12/11
怪談

東海サーキットの幽霊

阿蘇山の麓に周囲を深い森に囲まれた、曲がりくねった道路があります。昼間でも光は届きにくく、夜には街頭がないため真っ暗闇になります。

その道は地元の人が親しみを込めて、「東海サーキット」と呼んでいるゆるやかな傾斜の峠道。地元をよく知る人だけが通る生活道路です。

東海サーキットと呼ばれていても走り屋がいるという意味ではなく、「サーキットのように曲がりくねっている」という意味の呼び名です。

いつもの東海サーキットは、ほぼ毎日静かな夜が過ぎていきます。しかし時折、スピードを出しすぎて事故に遭いそうになった人には幽霊が見えるという噂があります。

傷だらけの車

ある夜、車内のデジタル時計が0時を何分か過ぎた頃、1台の白い軽自動車が東海サーキットに侵入しました。軽自動車を運転する男性は、帰路を急いでいたためアクセルペダルを強く踏み込み、スピードを徐々に上げていきました。

男性は地元の大学に通う大学生で、近くの寮で同じ大学の先輩後輩と分け隔てなく生活しています。男性の乗る軽自動車にはフロントドアやバックドアに複数のかすり傷が付いており、普段から荒い運転をしていることがわかります。

猛スピードでU字カーブを曲がる!?

男性はその日、朝からアルバイトをしていて、遅くとも夕方には帰れるはずでした。しかし、アルバイト仲間が体調を崩したので代わりに働いていて、アルバイト先を出たのは日付が変わる30分ほど前でした。

次の日は早朝に研究で大学へ向かわなければならず、男性は慌てて車を走らせたのです。スピードを出したまま、サーキット名物の数か所の急カーブを問題なく次々と通過していきます。そして問題のカーブへさしかかりました。

そのカーブはサーキット内で最も角度のきついU字カーブで、このままではガードレールにぶつかりそうなスピードが出ていました。

しかし、男性はほとんど減速することなくカーブに侵入し・・・

キィィィィィィィ--------------!!!
 
出典:B-cles

誰かいたはず・・・

突如、男性の目に人影が映り、とっさにブレーキペダルを思いっきり踏み込みました。愛車がガクガクと不規則な振動を刻みながら、前方のガードレールに迫っていきます。

男性はハンドルを力いっぱい握りしめ、体中に力を込め、瞼を閉じました。

何とかカーブの手前で止まれたとき、男性は恐るおそる目を開けて前方を見ました。そこには、どんなに目を凝らしてもガードレールしか見えません。

男性はゆっくりと車を降りて周囲を見渡しましたが、どこにも人の姿はありませんでした。車に新たな傷もなく、衝撃もなかったので当たってはいないはずでした。

男性は動揺する心を必死な思いで押し込め、冷や汗をぬぐい、震える手で再びハンドルを握ります。ゆっくりと車を発進させますが、男性はどうしても恐ろしく、バックミラーで後方を確認できませんでした。

背筋に冷たいものを感じながら必要以上にスピードを出すことはせず、後ろ髪を引かれる思いで寮に向かいます。

事故死したサラリーマン

帰寮後、靴を脱ぎ散らかしながら寮の玄関へ飛び込み、ノックも忘れる勢いで部屋に駆け込みました。部屋の中には1歳年上の先輩がテレビを見ながらくつろいでいました。

目を丸くし、口を開けたまま、驚きのあまり言葉を発せずにいる先輩に、男性は東海サーキットでの出来事を話しました。

「警察に連絡するべきか、明るくなってからもう一度確認するべきか・・・どうしていいか分かりません」

男性の話を黙って聞いていた先輩は、この寮で代々伝わっている話を聞かせてくれました。

東海サーキットには昔、事故に遭って亡くなったサラリーマンがいたといいます。その人は、スピードを出しすぎてあのカーブの横にある大木に激突して死にました。

それ以来、同じ場所、同じ状況で亡くなる人が二度と出ないように、あのカーブに加速して入ってくる車の前に姿を現しては、脅かしてブレーキを踏ませ、事故を未然に防いでいるといいます。

事実、あのカーブでの死亡事故はそれ以来起こっていないらしいそうです。結構有名な話だと先輩は教えてくれました。

男性はそのサラリーマンの幽霊に命を救われた、という事実をゆっくりと理解していきました。