もう友達は帰ってこない・・・築30年の小さな家は陰惨な事件現場!!

殺人事件 行方不明 民家
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2019/01/04
怪談

S美の告白

高校の同級会がありました。そこで久しぶりに再会したS美が、私に奇妙な体験を語ってくれました。

S美は岡山県の短大に通っていました。そこでは授業そっちのけでテニスサークルのパーティーや合コンなどに明け暮れた日々を送っていたそうです。

そんな遊び三昧のサークルでしたが、夏には強化合宿があり、山奥の山荘に泊まり込みました。その時の話です。

築30年の小さな家

朝のランニング途中に見かけた小さな民家で、昼食後、肝試しをやることになりました。人里離れた山の中、ポツンとその小さな家はあり、築30年は経っていると思えるような古い建物でした。

目的の家に着つくと、お邪魔します、と言ってズカズカ中へ入ります。それに続いて総勢13人、みんな土足のままぞろぞろと家に上がりました。薄暗い家の中はひんやりと冷たく、埃とすえたような匂いが充満していました。

玄関から廊下に上がると、右側が8畳ほどの和室でした。中央にはこたつ、テレビ、雑誌や新聞、散らかり放題でした。

しかし不思議と、誰かが今さっきまでいたような雰囲気がありました。しかし、どこも埃が積もっており、明らかに空き家であることは間違いありませんでした。この時、S美は不思議な感覚だったことを覚えていました。

13人全員が目撃者

「なんか聞こえないか?」

と誰かが呼びかけました。

耳をすますと確かに小さくテレビ音がしているような、数人でヒソヒソと話をしているような声がS美にも聞こえました。

すると、他の誰かが、

「もうやめよう、出よう!!」

と言いだします。ただし、騒ぐとパニックになるからそっと退散することにしました。

その意見を否定する人は誰もいません。みんなは来たときと同じように、列になっていそいそと玄関に向かいました。その時です。

「待って!待って下さい!」

と叫んだのは下級生のN子でした。

S美は声に振り向き、驚きました。その子の足元には、たくさんの人がしがみ付いていたそうです。
出典:うっとしいおっさんシリーズ

おじいさん、おばあさん、中年の女性、小学生くらいの男の子、高校生くらいの女の子、20代前後の女性、おじさんたちが、皆あちこちから血を流しながら必死な形相を浮かべていたのです。

それぞれうめき声を上げながら、もぞもぞと這って重なり合っていました。

「待って下さい!」

とN子は何度も駄々をこねる子供のように叫び、棒立ちしていました。その瞬間、誰かが叫び声を上げると、それを合図に皆一斉に駆け出し、押し合いながら、われ先へと玄関に向かいました。

S美もみんなが騒ぐ怖さに押され、前の人を押しながら外へ飛び出しました。

消えたN子の行方

「家の外では見たか?見えたか?」

みんなで青ざめた顔でお互いに確認し合いました。全員がN子の足元にしがみつく霊たちを見ていました。しばらくして、ようやく、誰かがN子がその場に居ないことに気づきます。

男子は5人で編成を組み、勇気を出してもう一度、あの家へ探しに行きましたが、N子の姿はありませんでした。

S美たちは警察を呼びました。そして暗くなるまで捜索しましたが、見つかりませんでした。

N子は今もまだ行方不明のままです。見つかっていません。S美は私を前にして涙ながらに逃げた自分にも責任はあるのだ、と何度も口にしました。
あとから聞いた話だと、あの家は一家惨殺事件の現場だったそうです。4人家族が殺されてしまった家なのだと。

ですが、目撃された霊は10人ほどいました。S美の考えでは、最初の4人の霊に引きずられてしまった哀れな犠牲者たちだと言います。

「あの家の家族に憑かれたの。捕まるとそのまま彼らと一緒にこの世をさまようことになるのかも…」

ひょっとすると次にあの家を訪れた時、霊たちの中に混じってN子の姿があるのかもしれません。しかし、もう彼女をこの世に引き戻すことはおそらくできないでしょう。